YouTubeを利用した上級者むけの英語学習
こんばんは
前回のブログで上級者向けの英語学習法としてTEDの活用をご紹介しました。
TEDの利点としては、無料で何度でも視聴できて、スクリプトやサブタイトルが複数言語で表示・非表示を自由に変えられる点でした。
しかしTEDのようなやや堅めの話題だと肩肘が張ってしまい、とっつきづらいと感じる人もいるでしょう。
また、スクリプトやサブタイトルが自由に表示できるということは、リスニング練習という面からみれば、聞き取れなかった部分を簡単に文字で見て「答え」が分かってしまうことを意味します。
今日は、そうした部分を補える上級者向けの英語学習法としてYouTubeの利用をご紹介します。
YouTubeには、実に様々な映像が溢れていて自分の趣味にあったものを簡単に検索することができます。好きだったドラマのワンシーンや、俳優やミュージシャンのインタヴューなど、年代的にもかなり古いものから最近のものまでいくらでも見つけることができます。
YouTubeも、もちろん無料で何度でも視聴することができます。しかしTEDと違いスクリプトやサブタイトルの表示サービスなどはありません。だから、分からない箇所があったら何度も自分の耳で聞いて、辞書やインターネットを使って「あれかな、これかな」と調べなければいけません。
例えば、私が最近見つけて面白かったYouTubeの映像はGuns 'N' Rosesのヴォーカルのアクセル・ローズのインタヴュー(現在、参照元の映像削除によりリンク切れ)です。
アクセル・ローズのインタヴュー(リンク切れ)
Guns 'N Rosesは私が10代の頃に良く聴いていたハードロックのバンドですが、今もメンバーチェンジをして活動中です。アクセルはインタヴューをあまり受けない人で、テレビのインタヴューは20年の経歴でこれが初めてだったようです。また、遅刻魔ですごく有名です。
このインタヴューでも、冒頭から遅刻ネタで司会者からいじられています。インタヴューで面白かったのは、売れる前にレンタルビデオ屋でマネージャーを少しの間していたというところ。
司会者はすかさず、
As a manager, did you have to scold people for being late?
「マネージャーとして、遅刻した人を叱らなければいけなかったんですか」
Would you yell at people for not rewinding VHS tapes?
「VHSのビデオを巻き戻してこなかった客にガミガミ怒ったりしていたんですか」
例えば、こういった面白いと思った部分を自分でスクリプトに起こしてみると、非常にリスニングの勉強になります。二つ目の文章など、過去の習慣を意味するwouldが疑問文でさらっと使われていますが、高校生用のテキストではまずお目にかからない英文です。
さらに、ハロウィーンの話しになって、司会者がアクセルに「最後にハロウィーンで着たコスチュームを覚えている?」と聞くと、
Once I was a giant ear of corn.
「一度、大きなトウモロコシになったことがある」
と答えています。この部分も最初はearがyearに聞こえてしまって、何のことか分からなかったのですが、何度か聴いてネットや辞書で単語を調べていくうちにearがトウモロコシの実の部分を意味することが分かり、そういえば昔どこかでそういう意味があることを聞いたことがあるなとなるわけです。
こういったなんでもない話題でも関心のある俳優やミュージシャンなどなら、興味をもって何度でも聞けるのです。
また、ファンの質問に答える場面で、司会者が
Do you regret your cornroll? I think he meant cornrow. Do you regret your cornrow from the 90’s?
「コーンロールにしたことを後悔しているか。たぶんこの人はコーンロウと言いたかったんでしょうが、90年代からコーンロウにしたことを後悔していますか」
という場面があります。私は最初cornrowの意味が分からなかったのですが、これも何度か繰り返し聞いて辞書やネットを調べていくうちに、黒人の伝統的なヘアスタイルで髪を幾筋にも編みこんでいくものだと分かりました。アクセルは一時、このコーンロウにしていた時期があったのです。
多分トウモロコシの実の列のように見えるからcorn「トウモロコシ」row「列」なのでしょうが、髪を編みこむことからroll「巻く」と勘違いする人がいて、質問者はcornrollだと思っていたのでしょう。繰り返し聞くことで、スクリプトがなくてもそういう細かいところまで分かります。
また司会者は、前出のハロウィーンで大きなトウモロコシのコスチュームを着たときはコーンロウだったのかと質問して、アクセルは「そうだ」と答えると「Wコーン」だね、という場面もあり、細かい部分が聞き取れるようになると話し全体の流れもクリアになり面白みも増してきます。
この勉強法の利点は、とにかく自分で単語を聞き取って調べていく過程にあるので、興味があって何度でも聞ける素材を見つけることが第一条件です。なにか自分の興味にあう素材をYouTubeから見つけてみてはいかがですか。