どこが違うの?個別指導塾のプロ講師と学生講師?
個別指導塾というとどうしても大手学習塾のイメージが強いですよね。駅前のよい立地に派手な看板を掲げて、場合によってはテレビCMなど流す。そんなイメージでしょう。
そんな大手個別指導塾も大別すると直営だけで運営しているところと、フランチャイズで運営しているところがあります。直営は社員の人が教室長で講師を管理しているのに対して、フランチャイズは契約したオーナーがその校舎を管理しています。
こう説明すると「直営のほうがいいのかしら?」と漠然と思われる方もいるかもしれませんが、フランチャイズでも一生懸命やられている教育熱心な方もいるし、社員でもなんとなく頼りのない方もいるので一概にどちらがいいとは言えません。
ただ、直営とフランチャイズに共通していることは、実際に教えている講師の大半が大学生の学生講師だという点です。おそらくこれは全国的に共通する特徴だと思います。
但し、大手個別指導塾でも社会人のプロ講師が在籍していることもあります。いわゆるフリーで教えている講師の方でいくつもの塾や家庭教師を掛け持ちで教えていることが多いです。
では、学生講師とプロ講師にはどんな違いがあるのでしょうか?
プロ講師は同じテキストを使っても授業がまったく違う
塾というのはオリジナルのテキストを使っている一部の大手以外は、塾専用のテキストを販売している教材会社のテキストを使っていることが多いです。(オリジナルのテキストを使っているところも、教材会社に頼んでオリジナルを作ってもらっていることが多いです)
ということで、「成績が上がらないので塾を変えてみたけど使っているテキストは同じだった」という経験をお持ちの方もいるとおもいますが、それはよくあることなのです。
ということは、個別指導塾において学生講師もプロ講師も同じテキストで授業をするケースが圧倒的に多いです。
こういうと「なーんだ、同じなの」と思われる保護者の方もいらっしゃるでしょうが、違うのは授業の中身です。同じテキストを使っているからこそ、学生講師とプロ講師の違いは歴然とでます。
しかし、残念ながらその差を実際に感じられるのは授業を受けた本人だけで、保護者には伝わらないことが多いです。また、そもそも勉強がまったくやる気のない成績不振のお子さんがお母さんに手を引かれて塾に体験レッスンを受けにくることがありますが、そういう子はどちらの授業を受けてもあまり差を感じないです。
私のような個人塾の場合は、体験授業後に「すごく分かり易かったよ」という本人の言葉で入塾されるケースが多いです。
経験値の違いで見た瞬間に答えが分かる
熟練したプロ講師の「スゴ技」というのもあります。
何百回と同じタイプの問題をこなしているので、テキストを見た瞬間に答えが分かります。これが不慣れな学生講師だと手元に答えを置いておかないと不安で授業ができません。
私の塾では最初の説明の時や無料体験授業の時に直近の定期テストの問題と答案をもってきてもらうことが多いのですが、学校の問題もだいたいパターンが決まっているので、その場で何をどう間違えているのかをチェックしています。
この方法が生徒の現状を把握するのに一番手っ取り早いです。
プロ講師なら相手の生徒次第で教え方のレベルを変えられる
また、プロ講師と学生講師の差は教え方にでます。
学生講師はある問題や単元に対して一通りの教え方しか知らないことがほとんどです。自分が中学・高校時代に学校の先生や塾の先生に習ったやり方をそのまま教えます。それでもいいのですが、問題はその教え方で生徒が理解できなかった場合に別の教え方をしないといけない場合です。
プロ講師というのは圧倒的に教えた経験が長いです。また、学校の先生と違って部活や生活指導などなく授業に専念してきているので「その教科を教えること」のプロなのです。
プロ講師であれば生徒とのやり取りでどこが分かっていないかを把握して、いろいろな教え方をします。あの手この手で解説してなんとか理解させます。
車のギアで例えると始めたばかりの学生講師が1段階しかギアがない状態。少しづつ経験を積んでギアが2段階(できる子用の教え方とできない子用の教え方)になります。これがプロ講師になってくると6段階とか8段階のように、生徒のレベルに応じて教え方のギアを変えられるようになるイメージです。
私が以前、一年間で何分くらい授業をしているか計算したら、概算で66,000分でした。もしアルバイトの学生講師が一日2時間で週3回フルで一年間入ったとしても年間で約17,000分。大学在籍4年間それをフルにこなして68,000分でようやくプロ講師の1年分くらいの経験になります。
個人塾の個別指導の場合は先生がずっと同じ
これまで個別指導塾での学生講師とプロ講師の違いを、主に教務レベルで説明してきました。
最後にシステム的な部分での違いについてお話しします。
学生講師というのは意外と忙しいのです。といっても社会人の忙しさとは質が違っていますが、大学生が本業であるがゆえにアルバイトの塾講師の仕事は二の次になります。
ありがちなのが、「大学のテスト週間なのでこの時期は授業に入れません」というパターンです。普段担当している子はその先生に見てもらいたいのに、学生講師側も自身の進学が掛かっているので担当できません。
それくらいならいいのですが、中には「サークルの打ち上げがあってその日は無理です」「友達と旅行に行く約束があるので…」などと、とにかくいろいろな理由で休むのです。
また、大学生なので「別のバイトも経験したい」「やる気がなくなった」などの理由で突然やめてしまうことも非常に多いです。
大手個別指導塾に通ったことがある方なら「えっ、また先生変わったの?」と思った経験があるでしょう。塾によっては「そういうシステムなんです」「そのために生徒ファイルがあって引き継いでますから」と割り切って保護者に説明しているところもあるでしょう。
しかしです!
そんなことで本当にお子さんの力がつきますか?
同じ先生が継続的に面倒をみるから、その子の問題点が深く理解でき、またそれを克服した時に一緒に成長を喜べるのです。
プロ講師は教えることが専門で、自分の教え方に自信と誇りをもっています。責任をもってその子の面倒を見ようと一生懸命になってくれます。
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