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TOEFLの種類とその違いを徹底解説:どれを受ければいいのか、スコアは何点とればすごいのか?

2024年9月23日

TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、英語を非母語とする者のアカデミックな領域での英語能力を測定するための試験として、世界中で広く認知されています。しかし、TOEFLにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴や形式を持っています。本記事では、TOEFLのしばしば混乱を招いている様々な種類、変遷の歴史、スコアの範囲や試験内容の違いについて詳しく解説します。

TOEFLの主要な種類

TOEFLには既に廃止されたものも含めて4つのバージョンがあります。TOEFL iBTTOEFL CBTTOEFL PBT、そしてTOEFL ITPです。またそれらとは別に、TOEFLへの橋渡しをする試験として児童、中高生向けにTOEFL JuniorTOEFL Primaryがあります。

現在実施されているTOEFLテスト

  • TOEFL iBT(Internet-Based Test)[現行の主要なテスト。現在、一般的にTOEFLと言えばこのテストを指す] ※2023年7月26日から試験時間が1時間短縮となり、約2時間のテストになりました。

TOEFL iBTはインターネットを通じて受験する、現在、最も一般的なバージョンです。この形式は全世界で受験可能で、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションで構成されています。2019年の統計によれば、年間約230万人がTOEFL iBTを受験しています。例えば、アメリカの大学に入学するには、TOEFL iBTのスコアが必要とされる場合が多いです。スコアは0~120です

  • TOEFL ITP (Institutional Test Program) [企業・学校などの団体向け、個人での受験不可]
TOEFL ITPは、基礎的な英語能力を評価するために大学や企業でよく使われる内部向けの試験です。このテストはリスニング、文法、リーディングの3つのセクションで構成されており、実施形態としてはマークシートのペーパー版とインターネットにするデジタル版の2方式があります。また、テスト内容の違いでレベル1とレベル2に分かれています。TOEFL ITPのスコアは、グローバルな基準に基づいていないため国際的な認定には用いられませんが、教育機関や企業内部の評価としては非常に有用です。スコアはレベル1で310~677、レベル2で200~500です

過去に実施されていたTOEFLテスト(現在は受験できません

  • TOEFL CBT(Computer-Based Test)[2000年日本で開始~2006年全世界で終了]

TOEFL CBTは以前、インターネットベースに移行する前の主要な形式で、コンピュータ上で行われました。TOEFL CBTはリスニング、文法、リーディング、ライティングのセクションで構成されていました。スコアは0~300でした

  • TOEFL PBT(Paper-Based Test)[ 1964年に初実施、2007年日本で終了、2017年全世界で終了]

TOEFL PBTは紙ベースで行われる試験です。公式ページによると1963年に開発され翌年1964年に初実施されました。まだコンピューターが普及する前の時代に実施されていた初期TOEFLです。CBTやiBTに移行後もインターネットアクセスが困難な地域では実施されていましたが、2017年に全世界でPBTは廃止されました。この試験にはリスニング、文法、リーディングのセクションが含まれていますが、現在のようなライティングやスピーキングセクションはありませんでした。スコアは310~677でした

詳しくは公式ページのテスト形式の変遷を参照。

 

TOEFLの準備段階となるテスト(児童・中高生向け)

  • TOEFL Junior Standard (CEFR A1~B2レベル) 主に中高生を対象に英語の「読む」「聞く」能力をテストします。
  • TOEFL Junior Speaking (CEFR A2未満~B2レベル)主に中高生を対象に英語の「話す」能力をテストします。
  • TOEFL Junior Writing (CEFR A2未満~B2レベル)主に中高生を対象に英語の「書く」能力をテストします。
  • TOEFL Primary Step1 and Step2 (CEFR A1未満~B1レベル)主に小中学生を対象として英語の能力をテストします。

 

TOEFL iBTとは

TOEFL iBTは、インターネットを利用して実施されるテスト形式で、英語力の総合的な評価を行います。このテストはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションに分かれており、各セクションでさまざまなスキルが試されます。全部で約3時間という長時間拘束される試験でしたが、2023年7月26日から試験時間が1時間短縮となり、約2時間のテストになりました。

  • リーディング:試験時間:35分、問題数:20問(1パッセージ10問×2)
  • リスニング:試験時間:36分、問題数:28問、【講義】3題(各6問) 【会話】2題(各5問)
  • スピーキング:試験時間:16分、問題数: 4問、Independent task 1問 Integrated tasks(統合型)   3問
  • ライティング:試験時間:29分、問題数: 2問、Integrated task(統合型) 1問 Academic Discussion task 1問
  • スコア範囲: 0-120

このTOEFL iBTは、他のTOEFLの形式よりも広範囲で詳細な英語能力を評価するように作られています。例えば、リスニングセクションにおいては、大学の講義から普段の会話まで、多岐にわたる音声資料が使用されます。

リーディングセクションでは、科学論文を含む学術系の多様なテキストが出題され、スピーキングセクションでは学術的なトピックに関する意見を述べる練習が必要になります。ライティングでは、心理学や経済学など、幅広い分野のエッセイを書く訓練が求められます。

TOEFL iBTのスコアは0から120で評価され、各セクションごとに0から30のスコアが付けられます。2018年のデータによると、平均的なスコアは約82点で、多くの英語圏の大学が入学基準として80~100点を求めています。

TOEFL ITPとは(団体受験のみ)

TOEFLテストオプションの一つとしてTOEFL ITP (Institutional Test Program)があります。このテストは特定の教育機関や組織内での使用を目的としており、主に学生や従業員の英語能力を評価するために利用されます。団体受験のみ可能で、個人での申し込みはできません。

また、難易度によって過去のTOEFL PBTの問題がそのまま出題される「レベル1」、時間を短縮し易しい問題で出題される「レベル2」に分かれています。

TOEFL ITPはTOEFL PBTに似た形式で、以下の3つのセクションから成り立っています。

【レベル1】

  • リスニング: 発話の理解力を測るセクションで、会話やレクチャーを聴いてその内容について質問に答えます。約35分間、50の質問が出題されます。
  • 文法: 文法と文構造を理解する能力を評価するセクションで、25分間で40の質問が出題されます。
  • リーディング: 読解力を測るセクションで、学術的な文章を読み、それに基づく質問に答えます。55分間で50の質問が出題されます。

【レベル2】

  • リスニング: 発話の理解力を測るセクションで、会話やレクチャーを聴いてその内容について質問に答えます。約22分間、30の質問が出題されます。
  • 文法: 文法と文構造を理解する能力を評価するセクションで、17分間で25の質問が出題されます。
  • リーディング: 読解力を測るセクションで、学術的な文章を読み、それに基づく質問に答えます。31分間で40の質問が出題されます。

TOEFL ITPの試験時間は、レベル1が合計1時間55分、レベル2が合計1時間10分です。また、合計スコアは310点から677点(レベル1)、200点から500点(レベル2)の範囲で評価されます。多くの大学や企業は、このテストを利用して学生や従業員の英語能力を評価し、プログラムの評価や進捗確認に役立てています。

このテストの一つの利点は、非常に迅速に結果が得られることです。多くのケースで、結果は試験終了から8営業日前後でフィードバックされます。別途料金を払って結果を早く受け取るサービス(ラッシュ・スコアリング・サービス)もあります。これにより、受験者は自分の弱点を早期に特定し、それに対する対応策を講じることができます。TOEFL ITPは、特定のプログラムや研修に役立ちますが、国際的な認定や大学入学には使用されない点に注意が必要です。

TOEFL CBTとは(2006年廃止)

TOEFL CBT(コンピュータベーステスト)は、ペーパーベースからインターネットベースのテストへの移行を示すものであり、試験のデジタル変革を象徴しています。TOEFL CBTは現在、完全にTOEFL iBT(インターネットベーステスト)に置き換えられています。それでもなお、その試験構成やスコアリングシステムを理解することで、TOEFLという試験の変遷やさまざまなTOEFLの形式に対する包括的な視点が得られます。

  • テスト内容: TOEFL CBTは、4つの主要セクションで構成されていました。
    • リスニング: このセクションでは、受験者がさまざまな文脈で話される英語を理解する能力を評価しました。
    • 文法: ここでは、受験者が質問を通じて英語の文法や文の構造に対する理解を測定します。
    • リーディング: 様々な英文テキストを通じて受験者の読解力を評価します。
    • ライティング: 最後のセクションでは、受験者のエッセイライティングのスキルが評価され、これは今日のTOEFL iBTでのライティングタスクの前段階となります。

スコア範囲: スコアは0から300までの範囲でした。現在のTOEFL iBTのスコア範囲が0から120であることを考慮すると、スコアリングシステムは徐々に簡略化されてきているのかもしれません。

TOEFL CBTは今では使用されていませんが、その構成を知ることで、現在のTOEFL iBTの試験構成を理解する手助けになります。

TOEFL PBTとは(2017年廃止)

TOEFL PBT(Paper-Based Test)は、この試験の開発当初の紙ベースで行われる試験であり、CBTやiBTが登場してからもインターネット接続が困難な地域での受験者にも対応できるように2017年(日本では2007年に終了)まで継続されていました。これにより、遠隔地や技術的な制約のある受験者でも平等に受験する機会が提供されました。

まず、TOEFL PBTのテスト内容は以下の4つのセクションから成り立っています:

  • リスニング: 約30分間、受験者はスピーカーから流れる英語の会話や講義を聴き、それに基づく問題に答えます。注意深いリスニングスキルが求められます。
  • 文法: 約25分間、文法や文章構造の理解を測る問題が多数出題されます。
  • リーディング: 約55分間、複数の学術的な文章を読み、それに関する質問に答えます。読み解き力と情報の統合力がカギです。

スコア範囲: スコアは310点から677点までとなっており、各セクションの得点が合計されて総合スコアが算出されます。例えば、アメリカの大学へ留学を希望するTOEFL PBT受験者は、学部レベルで約500点以上が目安と言われていました。

TOEFL Juniorとは(中高生向け)

TOEFL Juniorは、主に中高生を対象に設計されたテストで、standard, speaking, writingの三つの試験があります。

英語の「読む」と「聞く」能力を測定します。このテストは、海外の中学・高校の授業や友達との会話を題材にしています。結果は合否ではなくスコアで示され、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)やLexile指数と連動しています。併せて、このレベルでのスピーキング力やライティング力を知りたい方は、次に挙げるTOEFL Junior SpeakingやTOEFL Junior Writingを別途受験すると良いでしょう。

  • リスニング:約40分間、42問、スコア(200~300)
  • 文法・語彙:25分間、42問、スコア(200~300)
  • リーディング:50分間、42問、スコア(200~300)

合計時間115分間でスコアは600~900点で算出、試験はマークシート式で実施されています。

TOEFL Junior® Speakingテストは、中級レベルの英語学習者を対象とした試験で、コンピュータベースのテスト(CBT)形式で行われます。試験は4つのセクションから構成され、試験時間は約18分です。各セクションには以下の課題が含まれています:

  1. 音読 (Read Aloud)
  2. 絵の説明 (Picture Narration)
  3. 学校での活動に関する聞く・話す (Listen-Speak ― Class/School Activity)
  4. 学校の授業に関する聞く・話す (Listen-Speak ― Academic Talk)

スコアは0から16点の範囲で、複数のETS公認の採点者によって評価されます。スコアレベルは以下のように、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいて分類されます:

  • 14-16点: B2
  • 11-13点: B1
  • 8-10点: A2
  • 8点未満: A2未満

結果は、英語のオフィシャルスコアレポートおよび日本語のスコアガイドで提供され、学習状況の詳細を確認できます。質問や問い合わせは専用のフォームで受け付けています。

TOEFL Junior® Writingの概要について要約します。

  • 対象者: TOEFL Junior®受験レベルの中級英語学習者。
  • 形式: CBT(Computer Based Testing)。
  • 設問数: 5問。
  • 試験時間: 40分。
  • スコア範囲: 0から16。
  • CEFRレベル: A2未満からB2。
  • 採点方法: ETSが人工知能(AI)を備えた自動採点エンジンを使用して採点します。
  • 受験料: 受験者数に応じて団体割引があります。詳細はお問い合わせください。

この試験は、中級レベルの英語能力を評価するために設計されており、国際的な基準(CEFR)に基づいて評価されます。

TOEFL Primaryとは(小中学生向け)

TOEFL Primary®は、小中学生など英語を母語としない学習者のために設計されたテストで、英語運用能力の伸びを測定するための「ファーストステップ」として利用されます。このテストは、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のA1未満からB1レベルまでの英語力を測ります。テスト結果はスコアとバンドレベル(STEP1は4段階、STEP2は5段階の「星」の数)で表示され、英語読書力を示すLexile®指数とも連動しています。

TOEFL Primary®にはStep 1とStep 2があり、それぞれリスニングとリーディングの両方を含む約60分間の試験で構成されており、実用的およびアカデミックな英語を測定します。英語を通じて異文化体験を可能にし、英語学習の質と量を高める手助けをします。このテストはETS(世界最大の教育測定機関)によって開発され、世界中で広く利用されています。

  • STEP1:リーディング約30分、リスニング約30分(CEFR A1未満~A2)、英語初級者対象
  • STEP2:リーディング約30分、リスニング約30分(CEFR A1未満~B1)、英語で多少のコミュニケーションが取れる学習者対象

TOEFL Junior同様にTOEFL PrimaryにもTOEFL Primary SpeakingとTOEFL Primary Writingが別に用意されています。

  • 対象者: 英語学習者の初級レベル(TOEFL Primary Step 1およびStep 2の受験レベルの方)
  • 形式: コンピューターベースのテスト(CBT)
  • 設問数: 7~10問
  • 試験時間: 約20分
  • スコアレンジ: 0~27
  • スコアレベル: リボンの数(1~5個)で表示
  • 参照基準: CEFR A1未満~B2
  • 採点: ETS公認の複数名の採点者による評価

このテストは初級レベルの英語学習者を対象としており、スピーキング能力を評価するためのものです。

  • 対象者: 英語学習者 初級レベル
  • 形式: コンピュータベーステスト (CBT)
  • 設問数: 19問
  • 試験時間: 30分
  • スコアレンジ: 0から17点
  • スコア表示: 1~4個のリボンで表示
  • 対応CEFRレベル: A1未満~B1
  • 採点方法: AI機能を備えた自動採点エンジンによる採点(ETSが担当)
  • 受験料: 受験者数に応じた団体割引あり(お問い合わせが必要)

【各TOEFLスコア換算表】

PBT/ITPCBTiBT
677300120
637270110
600-603250100
57723390-91
55021379-80
52319369-70
49717059-60
46314349-50
43312040

【各TOEFLのスコアレンジとCEFRの対照表】

各TOEFLのスコアレンジとCEFRの比較

TOEFL準備のためのアドバイス

TOEFLで高得点を狙うには、計画的な準備と効果的な学習方法が不可欠です。以下に、TOEFL準備のための具体的なアドバイスを紹介します。

  • 公式問題集を活用する
    TOEFLの公式のガイドブックや教材はETS(Educational Testing Service)によって提供されており、試験の形式や出題傾向が詳細に説明されています。「Practice makes perfect(練習が完璧を作る)」という言葉通り、精度の高い公式の問題を使った練習は非常に効果的です。
  • オンライン模試を受ける
    公式ページより時間制限のあるオンライン模試も購入ができます。より本番環境に近い状況を知るためには大変有効で貴重な機会となるはずです。
  • オンライン英会話でスピーキングを磨く
    オンライン英会話を積極的に活用することで、スピーキングの練習不足を補いましょう。できればTOEFL対策ができるネイティブ講師を見つけて本番の試験に近い環境を作れるとよいです。それができなくても、TOEFLに出題されそうな話題を積極的に見つけて話す練習をすると効果があります。
  • リスニングやリーディングの練習を日常的に行う
    TOEFLスコアを向上させる鍵は、日常的なリスニングやリーディングの練習です。日常生活の中で英語のポッドキャストを聞いたり、英字新聞を読んだりすることは大変有効です。

このような準備を入念に続ければ、少ない受験回数で、TOEFLの高得点も夢ではありません。効果的な学習計画を立て、継続的に実践していきましょう。

TOEFLの最新情報と試験日程

年齢や目的に応じて、TOEFLの種類とその違いを理解し、各形式に適した準備を行うことで、目標とするスコアを達成しやすくなります。自分に最適なTOEFL試験を選び、しっかりと準備して挑んでください。最新の情報と試験日程に関しては公式ページを参照してください。

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