大学受験、英検、TOEICの問題傾向と分析 似て非なるもの
今日は、受験問題、英検、TOEIC、それぞれの問題の特徴について書きます。
一見すると、似ている四択の穴埋め問題です。
しかし、実は、そこには明確な違いが隠れているのです。
大学受験、英検、TOEIC、それぞれの四択問題の違いとは?
文法問題の出題形式で典型的なのが穴埋め問題です。
ひとつの文の中の一箇所が( )になっていて最適な単語を4択の選択肢から選ぶものです。
例えば
問1. The scientist used a ( ) to inspect the newly found virus.
1. telescope 2. microscope 3. monocular 4. binoculars
問2.He would like to let his mother know the result of the exam when she ( ) home this evening.
1. will come 2. will have come 3. comes 4. comes to
問3.Every participant in the meeting responded ( ) to the survey at the end of the session.
1. different 2. difference 3. differently 4. differential
問題は全て私の自作ですが、受験、英検、TOEICに典型的なものを作ってみました。どれがどれだか分かるでしょうか。
答えは、
1.英検
2.受験
3.TOEIC
です。
各問題の分析
それでは各試験の特徴を分析していきます。
英検
まず英検について、
英検の4択問題というのは、単に選択肢の単語を知っているかどうかを問題にしています。それぞれの単語の意味が分かれば、特に紛らわしいニセの選択肢は入っていません。1の答えは2のmicrosope「顕微鏡」です。「その科学者は新しく見つかったウイルスを検査するのに顕微鏡を使った」となります。
もちろん問題文の中に難しい単語が含まれていることもあるのですが、選択肢と比べれば簡単な単語が使われていることが多いです。
大学受験
次にに大学受験について、
英検と違い単語の知識よりも文法の正確な知識があるかどうかを細かく聴いてくるのが受験問題の特徴です。選択肢はある程度の文法の基礎ができていれば2択まで絞れ、さらに正解を見抜くにはより正確な文法の知識が必要とされる場合が多いです。2の問題の答えは3のcomesです。ここでは「時・条件を表す副詞節の用法」が必要なことに気付けるか、また、それがどういう用法か知ってなければ正解できません。全体の意味は「彼は母親が今晩帰ってきたときにテストの結果をしらせてあげたかった」
受験問題は受験生に常に「お前はこの文法の知識があるか、このトリックにひっかかるようじゃまだまだだぞ」と迫ってくるような問題が多いのです。
TOEIC
次にTOEICについて、
TOEICの問題は英検とも受験とも違い、ある意味でもっとも負荷が軽い問題といえます。英検1級や準1級ほど難しい単語がでてくるわけでもなければ、受験のようにじっくり考えなければいけない複雑な文法事項が聞かれるわけでもありません。3の答えは3のdifferentlyです。「その会議の参加者は皆セッション終了時のアンケートに異なる反応をした」となります。
この問題はTOEICのPart5に典型的な品詞問題といわれるもので、同じ単語の派生語が選択肢に並びます。文の構造としてどれが適切かを選ばせるわけですが、英語の5文型と各品詞の役割を知っていれば大丈夫といったレベルの問題です。TOEICの問題は、問題自体の難しさにあるのではなく、こうした問題を大量に限られた時間内で正確に解ききらなければならないところにあります。
少し長くなってしまいましたが、これら3問は一見すると同じ形式なのですが、「似て非なるもの」であることを知って下さい。
少しでもお役に立てたら幸いです。