~ing形が「前置詞」になる場合
こんにちは
動詞の「~ing形」といえば、普通は「現在分詞」か「動名詞」と考えるでしょう。その考え方は基本的に間違っていません。それではこの二つをどう見分けるのかというと、少し困ってしまう人も少なくないかもしれません。それはいずれ別の機会に書くとして、今回は別の話題です。
今日ここに書こうと思うのは動詞の「~ing形」にも関わらず「現在分詞」でも「動名詞」でもない単語です。辞書を引くときに意味や発音だけでなく品詞まで確認している人ならば普通に知ってるでしょうが、実際に教えているとそこまで辞書をきちんと使っている人というのが少数派であることが分かります。
前置詞となる例:regarding、concerning、following、considering
例えば、
regarding や concerning はTOEIC必須語で「~に関する」という意味ですが、これらの品詞は「前置詞」になります。知らなかった人は改めて、regarding や concerning が使われている文章を見て下さい。それらの後ろには前置詞の目的語として名詞が置かれているはずです。
さらに、following も「前置詞」としての機能があります。例えば、There will be time for questions following the lecture. 「その講義の後で質問の時間があります」など、following の次には名詞の the lecture が目的語として置かれています。following は他にも形容詞や名詞としても使えます。
そして、considering も「前置詞」または「接続詞」、そして「副詞」としての機能をもっています。例えば、The service was pretty bad, considering how much we paid. 「私たちが払った金額を考えると、サービスはかなりひどいものだった」となり、これはconsidering の後に主語と動詞を含む節があるので接続詞の用法となります。しかし、この例などいわゆる分詞構文と見間違えてしまうほど紛らわしいです(分詞構文ならばconsideringの意味上の主語がthe serviceとなるので文意に合いません)。
以上、どれも頻繁に使われる単語です。文意が取れれば品詞などあまり深く考えなくても構わないのですが、ときどき正確な文法の知識が必要になる文章に遭遇するときがあります。そういうときのために、ときどき文法の整理をしておくといいと思います。