英文法などの「知識面」と実際に話す練習をする「実践面」のパランスが重要
英語は一般的に「学科系」科目として認識され、ペーパーテストで優劣がつきます。良くも悪くも、これが日本の学校教育のなかでの「英語」の扱われ方です。
この記事では、この一般論に少し疑問の目を向けてみたいと思います。
はたして、「英語」を単に学科系の一科目として捉えることは適切なのでしょうか?
学科系は「知識」を、実技系は「技術」を習得することが目的
学校の教科は「学科系」と「実技系」に分けることができます。「国語」「数学」「理科」「社会」「英語」を学科系とすると、「音楽」「美術」「体育」「技術・家庭科」を実技系とするのが一般的でしょう。 学科系科目は主に学問として「知識」が重視され、実技系科目ではそれぞれの領域で必要とされる「技術」が重視されます。
学科系では紙のテストで○×が付けられ点数化が容易な試験が実施され生徒の能力が判定されます。それに対して実技系では紙のテストが実施される場合もありますが、体育ならば特定のスポーツの巧拙、音楽ならば歌や楽器の演奏技術、美術ならば課題として出された絵や立体作品の完成度、技術・家庭科ならば機械工作の技術や料理の腕などが主な評価の対象となります。
英語は「知識」と「技術」のバランスで成り立っている
これが従来の中学や高校での教育ですが、私が提案したいのは英語は「学科系」と「実技系」の両方に跨るべきだということです。なぜなら、それは「知識」として習得する部分と、実際に身体で覚える「技術」の部分が分かちがたく結びついているからです。従来の英語教育はこれを「知識」の部分でだけ捉えていたので失敗しているのだと思います。
英語の「文法」は知識であり、単語を覚えることも「知識」です。穴埋め問題や単語テストで点数化することは間違っていません。しかし、その文法と単語を使って文章を組み立てて作文をすることや、さらには話すことはどうでしょうか。受動的に知識を吸収するというプロセスから、能動的に知識を組み合わせて作り上げていくプロセスが必要とされてくるのです。さらに、話すとなると発音の仕方まで具体的に教えなければいけません。
実践力を重視するほど「技術系」に寄ってくる
英語を話すという段階になると、先生が実際にお手本を示して生徒が真似をするという「実技系」での教育手法が有効なのは言うまでもありません。具体的に舌の動かし方や呼吸の仕方なども説明したうえで生徒に練習をさせなければいけないのです。この段階になると完全に「実技系」の要素が英語には必要とされてきます。
私はなにも英語(学科系)英語(実技系)と二つに科目を分けるのが良いと言っているわけではなく、英語には「知識面」と「技術面」の両方が必要だという意識を教える側が持つことが大切だと言いたいのです。