主語と動詞の一致の問題

2013年5月31日 金曜日  カテゴリー: 英語学習のヒント

こんにちは

 

最近、高校生の塾生が増えてきたので空いた時間に受験問題などを見直したりしています。
そんなとき、ふと目にした次の問題が新鮮に感じられました。

 

(      ) was happy over the victory.

 

1. Both the players and the coach
2. Either the coach or the players
3. Not only the players but also the coach
4. The players as well as the coach

 

大学受験の問題は文法の厳密なルールを問う文法問題が多いです。しかも受験生を募集定員の枠に収めるためにふるいにかけることが目的なので、落とすための試験です。問題は必然的に巧妙になり、いろんなトリックや紛らわしい選択肢を混ぜ合わせて誤答を誘います。

 

巧妙化した受験問題に対して予備校等で対策が練られる結果、実用性よりは試験テクニックが先行してしまい「受験英語」のレッテルを張られるわけですが。

 

上の問題の正解は3です。ヒントは括弧の直後が単数形の主語と対応するwasになっていることです。そして各選択肢はthe coachという単数形名詞とthe playersという複数形名詞からなっているのですが、各表現で何が強調されているかが正解を選ぶポイントになります。

 

選択肢をそれぞれ見ていくと、
1のBoth A and Bは「AもBも」という表現ですが、AとBは同等の価値で並べられているのでたとえAとBが両方とも単数形名詞でも動詞は複数に対応する形になります。つまり、上の文ではwereであれば正解です。

 

2のEither A or Bは「AかBか」という表現で、やはりAとBは同等の価値であることはBoth A and Bと同じですが二者択一の表現となっています。Both A and BがAとBの両方を含んで必然的に複数になったのに対して、Either A or Bは対等な関係のAかBのどちらか一方が問題になります。それでは動詞はAとBのどちらに合わせればいいのでしょうか。なにしろ、AとBは対等な関係で優劣がないので迷ってしまいます。しかし、この表現に関しては基本的には動詞に近いBの単語の数に動詞を合わせることになっています。つまり、上の問題ではthe playersが後ろのBの位置にあるので、やはりwereだったら正解になります。

 

3のNot only A but also Bは上記二つの表現とは違い、AとBが同等の価値をもっていません。「AばかりでなくBも」という意味からお判りでしょうが、後ろに来るBに力点が置かれているのです。こうした短いフレーズでなく文章の形になっても逆接の意味を持つ単語(butやhowever)の後ろには筆者の主張がきますよね。したがって、力点が置かれているBの単語に動詞を一致させることになります。Bに単数形のthe coachが来ているので、これが正解となるのです。

 

4のA as well as Bも基本的にはAとBは同等の価値では並べられていません。「BばかりでなくAも」と手前にあるAに力点が置かれるのが普通です。つまり、この問題ではAのThe playersに動詞を一致させる必要があるためにwereだったら正解だったのです。

 

ここで改めてそれぞれの選択肢をみると、実に巧妙に紛らわしい構成で作られていることが分かります。典型的な大学受験の英語の問題です。この手の問題は解いているときは、「わー、嫌だな、また紛らわしいのがでてきた」と思ってしまいます。「こういう重箱の隅をつつくような問題をやらせるから、日本人は英語ができないんだ」と文句を言いだす人もいるでしょう。

 

私も同じような感想をもったことがありますが、今回それを改めて新鮮に感じたのには理由があります。確かに、このまま文法問題として終わらせるとトリッキーで嫌な問題なのですが、もし自分で英語の文章を書いていたとしたらどうでしょうか。もし自分が英語でなんらかの文章を書いていてこの表現が必要になる場面にでくわしたら、動詞を主語のどこに合わせるかは非常に切実な問題になると思ったことがこの問題が新鮮に感じられた理由です。

 

おそらく「受験英語」の批判の背景にはこうしたことがあるのではないかと思います。あれほどトリッキーで難解な文法問題をこなしてきたのに、それを応用的に使う場面を提供してこなかったということです。逆の言い方をすれば、自分で作文をしていてNot only the players but also the coachと書いた後に、動詞をどこに合わせようかという問題に直面したことがあれば、上の問題を役に立たない「受験英語」とは簡単に切り捨てないであろうということです。

 

受験の英語は決して無駄ではないというのが私の考えですが、実際の入試問題からいろいろ見えてくることもあります。

 

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